誰にも言えない

ぐずぐずの引きこもりの私。いつからこうなったのだろう。誰にも言えないから書きます。

可愛げ

最近、好き嫌いが多いと感じる。食べ物にではない。人にである。失礼な話だが、自分のブログに書くだけなので許してほしい。


ドラマも好きな俳優でないと観る気がしないし、ニュースも気に入ったキャスターのしか見ない。実生活でも、好きでない人と無理して会う気はしない。


我ながら、頑固で、柔軟性がないなと思う。今まで、若さと好奇心で世間に合わせてきたのだろうが、最近は無理が利かない。年を重ねてこうなったのではなく、元々、私の中にあったものが、いよいよ取り繕えなくなってきたのだと感じる。


こんな時、自戒を込めていつも思い出すのは、私が数年前に入院したとき、同室だった年配の女性のことだ。年配も年配、90歳を越えていると言っていたが、よくしゃべるし、耳も問題ない。頭もはっきりしているスーパーおばあちゃんだった。この女性が、しょっちゅう、ナースコールをしては、ああして欲しい、こうして欲しいと、看護師に訴えるのだが、それはそれはやさしい言い方をする。どこの地方かよくわからないが、少し方言が入っているところも何となく可愛げがある。そして、最後には、必ず対応してくれた看護師を、これまでかという程ヨイショし、感謝する。顔を見るだけでうれしいとか、こんなベッピンさんには会ったことがないだとか、その声を聞くだけで安心するだとか。本当にありがとう。助かったわ。うれしいわ、と。看護師さんも仕事とはいえ、何度も呼ばれてうんざりするだろうが、こんな風に言われて、気持ちがほぐれない人はいないだろう。言いすぎよ~とか、はいはい、と返しながらも、声は明るい。


ああ、これは生きる術だな、と思った。特に年を取ったらこうでないと。いろいろ要求しても、結局うまくやってもらっている。相手も少しはいい気持ちにさせている。ウィンウィンではないか。


私も本当は、あの人は好き、この人は嫌いと、難しいことを言わないで、可愛げのある人でいたいと思う。