誰にも言えない

ぐずぐずの引きこもりの私。いつからこうなったのだろう。誰にも言えないから書きます。

息子とパンケーキ

息子の学校が午前中で終わる日があった。「せっかくだから、どこかでお昼を食べて、その後、映画でも観に行かない?」と息子を誘うが「別にいいし。」という。「いいし」というのは、もちろんNoという意味。映画なら友達と行きたいんだそうだ。まあ、それが健全な中学生男子なのだろう。タピオカドリンクも拒否されて、連れ出すチャンスを探っていたところだったので「でも、お母さん、お昼作ってないし。食べるだけならいいでしょ。」と、渋る息子と一緒に出掛けた。


→ タピオカドリンクの波


腹ペコ男子は何でもいいと言うので、私が前から一度行ってみたかった、パンケーキのお店に行ってみる。平日のランチ時間は過ぎていたが、混んでいて、30分くらい待たされると言われた。「こんなの飯じゃないし。」と、最初、不満顔だった息子だが、甘い香りに誘惑されたのか、ここで食べるというので、待つことにした。周りは圧倒的に若い女性のグループが多い。うちのような親子らしき姿もあったが、ほとんどが母と娘だ。


やっとテーブルに通されて、オーダーする。向かい合って座った息子は、少し居心地が悪そうだ。私がいろいろ話しかけるが、いつも以上にのってこない。ああ、とか、ふーん、とか。まるで、倦怠期のカップルではないか。


うっすらと髭が生えて、ゴツゴツした体つきになった息子。キラキラした瞳で、可愛かった小さい頃の息子はもういないんだなと、ぼんやり思う。まだこうして外食に付き合ってくれるだけ、いいのかもしれない。もしも娘だったら、と思ったが、すぐに自分の中で取り消した。私は母と二人でこんな風に過ごしたことはなかったからだ。娘だとしてもその子によるのだ、ということを、身をもって知っている。


おいしそうなパンケーキが運ばれてきて、思わずふたりで「うわー」と叫ぶ。その一瞬、昔の可愛い息子の面影が戻って、嬉しかった。