誰にも言えない

ぐずぐずの引きこもりの私。いつからこうなったのだろう。誰にも言えないから書きます。

お墓問題

先日の記事「置き土産」の続きです。


知人の話から「空き家問題」を身近に感じた私は、夫の実家の「お墓問題」を連想した。両者とも次世代への継承という意味では同じである。


義父は長男であり、代々の墓を継いでいるが、夫には縁のない話と思っていた。夫は兄弟姉妹が多いし、長男ではないからだ。長男の嫁ではないという理由で、私は夫の実家の墓参りにさえ連れて行ってもらったことがない。そのくらい、長男を特別扱いしている家だといえるので、私はかえって気が楽だった。


しかし、ある日のこと、義父が「将来は、孫くん(我が家の息子)に墓守になってもらうよ。」と息子に言ったことがあった。


義父母には孫は他にもいるのだが、今のところ、うちの子だけが男だ。しかし、まだ未婚の兄弟もいるので、今後どうなるかはわからない。


もし、万が一、このまま男の孫がうちの息子だけしかいないということになると、夫が長男でなくても、その次の世代はうちの息子が墓守になるというのが普通なのだろうか?私たち夫婦が入らないだろう墓、しかもお参りもさせてもらえない墓の継承をうちの息子がするの?違和感でしかない。


とにかく、気分の良い発言ではなかった。私たち夫婦には、一度もそんなことを言ったことがないのに、突然、息子に直に言ったこと。まだ何もわからない中学生の息子に、刷り込みのようにこんな話をするなんて。


実際の会話はこうだ。「墓守になってもらうよ。」と義父に言われた息子は「えー、まあいいけどー。」と深く考えず、安請け合いをした。義父は「ああ、これで安心だ。いつ死んでも大丈夫だ。」と言って笑った。これが、息子がまだ小学校低学年とかなら、息子自身、墓守が何かも分かっていないだろうし、義父の話は忘れてしまうだろう。だが、息子は中学生。微妙な年齢だ。墓守の意味自体はなんとなく分かっているようだったし、この義父との会話も覚えているだろう。


この会話がされた時、義父は命に関わる今の病になる前のことで、持病はあるにせよ元気だった。ことさら死を意識していたわけではないと思う。ただ、いつか来るであろう将来の話し、という軽い感じでしていたと思う。


その半年後くらいに、義父の病気が検診で見つかったのだった。


この問題、どうなるのだろう。夫の兄弟姉妹は、その数が多いせいか、誰かがどうにかしてくれるだろうと、夫も含めて皆が同じように思っているように私からは見える。そこにうちの息子を巻き込まないで欲しいと、切に思う。