誰にも言えない

ぐずぐずの引きこもりの私。いつからこうなったのだろう。誰にも言えないから書きます。

日曜日のカフェで

日曜日の朝早くに、用事で出かける息子を送るため車で外出した。その帰りに一人でカフェに寄った。


そこは私にとって隠れ家的なカフェで、たまに近くに来た時にひとりで寄る。この日、時間はまだ朝8時前。日曜日のこの時間に、カフェに来ることなど初めてかもしれない。



その店でイートインするには、一階のカウンターでオーダーした後、注文した品物を受け取り、狭い階段を上った2階席に自分で運ぶ。


私が店に入った時、ちょうど一組の老夫婦が階段に向かっているところだった。ご主人は杖をついていて、コーヒーカップをふたつ載せたトレイを、奥様が両手で持って後ろに続く。これから狭い階段を上っていくのかと思うと、少し危なっかしいと感じた。手伝いに行こうかと数秒躊躇していると、階段の上り口で、ご主人が「おーい」と2階席の方へ声をかけた。すると、お仲間らしきひとりの男性がすぐに下りてきた。この方も、ご老人と呼んでよいだろうお年に見えたが、足取りは軽やかだ。その男性は奥様が持つトレイをさっと受け取ると、2階席へ上がっていく。その後で、奥様はご主人を介助しながら、ゆっくりと階段を上っていった。最初の「おーい」以外、会話はなく、いつものやり取りなのだろうと思われた。


私が2階席に行くと、先のご夫婦と男性は6人程のグループで窓際に座っていた。皆、同じような年頃に見える。また他にも3、4人ほどひとり客がいたのだが、その方たちも、一人を除いては、70代以降ではないだろうか。私がいつも利用する時間帯とは、客の年齢層が全く違う。あのグループは、もしかしたら日曜日の朝にいつも集まっているお仲間なのではないだろうか。新聞や本を読んでいるひとり客たちも、常連なのかもしれない。


グループで来るのもよし、ひとりで来るものまた然り。そこには日曜日の朝の穏やかな時間があった。その場にちょっとお邪魔してしまったような気がしたが、私も気持ちの良い20分を過ごさせてもらって、家に戻った。