涙活

最近は涙活というものがあるらしい。意識的に泣くことで、ストレス解消をするのだという。その際に用いられるのは、映画や朗読だというので、合点した。 子供を生んでからすっかり涙もろくなった私は、最近は歌で泣いてしまったりする。涙活と違って、泣こうと思って泣いているわけではないが、泣いた後、それはストレス... 続きをみる

理想的な社交

この前、化粧が面倒で、引きこもるということを書いた。 →　引きこもる理由 外出する日を減らすために、人と会う予定を、午前中にひとり、午後にまた別の人、というように、同じ日に重ねたりするのだが、これをし始めてみて、実はすごく便利だと気が付いた。 「この後、予定があるの」と言って、午前中の人と別れやす... 続きをみる

引きこもる理由

私は３９歳で妊娠するまでずっと働いてきて、毎朝それなりに化粧をしていた。 専業主婦になって子供が生まれてからも、習慣でほとんど毎朝化粧をしていた。その頃は隠す粗も少なくて、化粧が面倒くさいとは思っていなかった。 子供が幼稚園に通うようになり、毎朝バス停まで送っていけば、他のママさんたちとも顔を合わ... 続きをみる

出発

この季節、新しい出発を迎える人が溢れている。 私の昔の話。 大学を卒業した私は家を出ることになった。就職した会社の女子寮に入るのだ。とりあえずの荷物は、ダンボール箱ひとつ。年頃の女の子が、よくあんな少しの荷物で家を出れたものだ、と今では思う。最初の荷物が少ないのは、確か、入寮の規則のひとつだったと... 続きをみる

蕁麻疹

数週間前から、蕁麻疹が出るようになった。夕方に出てくる。 昔、同じ経験がある。 それは、１５年ほど前、私がまだ独身で、働いていた頃。夕方から、ひどい蕁麻疹が出て、痒くて、夜、寝られない。朝には自然に治まるが、睡眠不足のまま仕事へ行く日々は辛かった。 医者に診てもらったが、その時言われたのは、蕁麻疹... 続きをみる

鉛筆削り

ずっと探していた鉛筆削りが出てきた。 ちょうど今の家に引っ越した時、息子が小学校入学で、お祝いとして、両親がプレゼントしてくれた鉛筆削りだ。 かれこれ７年になる。 それは、思いがけない箱から出てきた。息子の幼稚園での作品を入れた大きなダンボール箱だ。まだ引っ越しの荷物が片付かない時に、宅配便で届い... 続きをみる

専業主婦の努め

週末、まとめ買いをしておいたので、今週は木曜日まで外出しないで済んだ。 スカスカになってきた冷蔵庫を漁って、何とかもう一日分の食事が作れないかと考えてみる。缶詰や乾物も総動員して、どうにか作れそうなメニューをひねり出すが、野菜がどうしても足りない。もう少し、せめてもやしの一袋でも買っておけばよかっ... 続きをみる

ホームベーカリー

うちにはホームベーカリーがない。欲しい、買いたいと長いこと思いながら、何となく機を逸してしまった。 生まれた息子はアトピーだったので、もう少し大きくなってから、と思ったし、当時、社宅住まいで、狭いキッチンにこれ以上物は置けないとも思った。 私が子供の頃、実家には餅つき機があった。調べてみたら日本初... 続きをみる

母の生い立ち（１４）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（１３） 母の生い立ち（１２） 母の生い立ち（１１） 母の生い立ち（１０） 母の生い立ち（９） 母の生い立ち（８） 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１... 続きをみる

実家売却

両親とも亡くなった後、実家を売りに出していたが、先日、無事に売れた。 購入してくれたのは、地元の６０代のご夫婦だ。面識はない。古くなった自宅をリフォームするか、リフォームなしで住める物件を買うかで、検討していたらしい。 最寄駅から、バスと徒歩で２０分という立地で、築４０年の実家。簡単には売れないと... 続きをみる

母の生い立ち（１３）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（１２） 母の生い立ち（１１） 母の生い立ち（１０） 母の生い立ち（９） 母の生い立ち（８） 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の... 続きをみる

知ってしまった　続き

「知ってしまった」の続きです。 お迎えを頼まれた日、息子とそのお友達を車に乗せて、その子の家に向かう。頼まれた通りアパートの前で降ろすつもりだったが「息子くんに貸したい漫画本があるので、ちょっとだけ寄ってください」とその子が言う。「お母さんがお留守なので寄れないよ」と言ったが「どの漫画本がいいか選... 続きをみる

知ってしまった

土曜日に息子は習い事に通っている。場所が遠いので、車で送り迎えをしている。ある日、うちと同じように、車で送り迎えしている、あるお母さんから、お迎えを頼まれた。その子の家は、帰り道の途中だし、息子とは仲良しの子なので、迷わず引き受けた。 そのお母さんと私は、特別親しい間柄ではない。子供同士が仲良しな... 続きをみる

母の生い立ち（１２）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（１１） 母の生い立ち（１０） 母の生い立ち（９） 母の生い立ち（８） 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の死（２） 母の死（１）... 続きをみる

いちご狩り

先日、偶然つくしの写真を見て、昔の記憶がよみがえった。子供の頃、つくしが生える時期に、家族で伊豆方面へいちご狩りに出かけたこと。 車で２時間ほどかけて行き、いちごを満腹になるほど食べる。その後、近くの川の土手で休憩するのだが、そこにつくしがたくさん生えていて、つくし狩りをした。 つくしを見つけたの... 続きをみる

母の生い立ち（１１）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（１０） 母の生い立ち（９） 母の生い立ち（８） 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の死（２） 母の死（１） ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊... 続きをみる

若作り

若作りと言われたことがある。その時、私はまだ４０代半ばで、自分としては全くそう思っていなかったので、傷つかなかった。この人、何言ってんの？ぐらいに思っていた。まだ４０代半ばって思えていた私は、結構強者だったと思う。まだ両親も元気なころだ。 今５０歳を少し超えて、あの時のことを思い出す。もし、今、言... 続きをみる

母の生い立ち（１０）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（９） 母の生い立ち（８） 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の死（２） 母の死（１） ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 祖母に... 続きをみる

「メロディー」

玉置浩二さんの「メロディー」を久しぶりに聴いた。なぜだか涙がでてしまう。 昔からいい曲だと思っていたが、こんなには感動しなかった。今、この年齢になって聴くと、心揺さぶられ、胸が苦しくなる。 若い頃の恋愛や、今は会わなくなってしまった学生時代の友人たち、それから亡くなった両親の事。そんなことが漠然と... 続きをみる

母の生い立ち（９）

自死した母の生い立ちを少しずつ書いています。生前の母が、時折、途切れ途切れに話してくれたことを思い出しながら、話と話をつなぎながら、また途中には私の推測も加えながら書いています。今まで時系列になっていなかった母の話を、順番に組み立てていくのは、思っていた以上に時間がかかる作業でした。今は１日おきに... 続きをみる

一段落

しばらく続いていた憂鬱な予定が、とりあえず今日で一段落した。明日から当分の間、カレンダーが空白で気持ちが軽い。 外で人と会うと気持ちが疲れてしまい、家事は手抜きになってしまう。どうしても毎日しなくてはいけない家事、例えば洗濯や、料理や、食器洗いなど、最低限の事だけをして、掃除は後回しになっていた。... 続きをみる

母の生い立ち（８）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（７） 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の死（２） 母の死（１） ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 今回から 東京の養父母を「元養父母」、 田舎の... 続きをみる

犬派

私は犬が好きだ。完璧な犬派。いつか犬を飼いたいと思っているが、実現していない。失う時のことを考えると、勇気がでないから。 子供の頃、実家で犬を飼っていた。その犬が亡くなった時の辛さと後悔。正直、私はまだ、それを乗り越えられていないと思う。 愛犬は雑種の中型犬だった。外飼いだったが、年を取り、具合が... 続きをみる

母の生い立ち（７）

このシリーズの一覧はこちらです。 母の生い立ち（６） 母の生い立ち（５） 母の生い立ち（４） 母の生い立ち（３） 母の生い立ち（２） 母の生い立ち（１） 母の死（３） 母の死（２） 母の死（１） ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 東京から遠く離れた 生まれ故郷近くの日本海に面した村に たったひと... 続きをみる

予定が重なり疲れ果てる

今週は予定が重なって、３日続けて外出しなくてはならなかった。おまけに夫が先週から出張中で、私は日曜日の寝坊もできないまま今週に突入し、疲れ果てて金曜日を迎えた。 週にひとつ程度の予定があるのが理想だが、なかなかそうはうまくいかないものだ。買い物に出て、誰とも話さず帰宅するだけで、ずっと人と会わない... 続きをみる

母の生い立ち（６）

母が再び養子に出された先は 養母の兄の所だった。 養母の兄家族は 母の実家の隣村に住んでいた。 すでに故人であった養母の父は元村長。 長男である兄は、当時、警察官であり 後に地元の警察署長を務めることになる。 その辺りでは一番の名家だった。 養母から放り出された母が どうして 実の家族の元に返され... 続きをみる