誰にも言えない

ぐずぐずの引きこもりの私。いつからこうなったのだろう。誰にも言えないから書きます。

母の生い立ち(12)

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母の生い立ち(10)
母の生い立ち(9)
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母の生い立ち(7)
母の生い立ち(6)
母の生い立ち(5)
母の生い立ち(4)
母の生い立ち(3)
母の生い立ち(2)
母の生い立ち(1)


母の死(3)
母の死(2)
母の死(1)


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祖母の孫贔屓に
実年齢よりも
精神的にずっと大人にならざるを得なかった母は
やがて中学生になる。


母は田舎村に戻ってからも
勉学で優秀だった。
東京でもそうだったのだから
田舎村ではなおさらだった。


中学時代の母の写真を見たことがある。
あらたまった写真ではなく日常の一コマ。
庭で撮られたものだ。
おかっぱ頭で大人びた表情をした母は
セーラー服姿。
一緒に写っている
新養父母の子供たちである妹と弟は
仕立ての良い服を着ているのが
白黒の写真からも見て取れた。


セーラー服を着たきり雀の母が目に浮かぶ。
田舎で制服があれば
どの家でもそんなものなのかもしれないとも思うが
どうしても母を不憫に思ってしまう。